危機感と不安感の違い

以前企業内研修で部長クラスの方々向けに「危機意識の語り」というセッションを
やっていた時のことです。

脇で聞いていた人事の担当の方から、「社員を不安にさせるようなことは言わないでくれ」と言われ
て、途中で演習をストップさせられたことがあります。

その会社では、過去、リストラが続いてきて、労組から経営陣に対して、
従業員が雇用の不安を抱くような物言いをしないでくれ、と申し入れを
してきた経緯があったようで、
部長クラスの研修で、わざわざ部下を不安にさせるような物言いを
教えないでくれということのようでした。

ただ、組織運営を行う際に、構成員に常に緊張感を持たせ、現状に安住してしまわないようにする
趣旨の発言は上の立場のものとしては必要で、「勝って、兜の緒を締めよ」という諺があるように
組織・規律の引き締めのためにもそうした物言いは必要になります

それで、その後、そうした指摘を受けても反論できるように、以下の対比表に書かれていることを
お話しするようにしています。

つまり、危機感と不安感の違いは、行動が起きるか起きないかにあり、危機意識を持たせる理由は、
それをもって聞いた人に行動を起こしてもらいたいからなのです。
一方、不安感は、必ずしも行動に繋がりません。逆に、心理的に硬直して、行動が起きなくなる
可能性が高くなります。

その辺りの違いを理解して、使ってもらいたいですね。

 

 

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